【パン用語】クラムやパンチはフランス語?意味や由来となるパンの部位をまとめて解説!

パンは「食べる専門」の私ですが、パリでパン旅をしていたときにパン屋を何軒も巡っていると、パン用語をたくさん耳にする機会がありました。

バゲットやクロワッサンを頬張る日々の中で覚えたパン用語を試してみようと、パリ現地のお店で「クラムの軽さが絶妙ね」と言ってみたところ、お店のマダムが嬉しそうに「そうなのよ!」と返してくれたという思い出があります。

そんな実体験から、パン用語の意味や由来をもっと多くの人に伝えたいと思いました。

本記事では、パン用語の中でも特によく登場する「クラム」と「パンチ」、そしてその他のフランス語由来のパン用語について紹介します。

この記事からわかること
  • パン用語「クラム」とは?
  • パン用語「パンチ」とは?
  • パン用語でよく使われるフランス語まとめ
目次

パン用語「クラム」とは?

画像出典元:O-DAN

パン用語の中でもよく聞かれる「クラム」とは、「パンの中身」のふんわりとした白い部分を指します。

パンの部位でいうと外側のカリッとした部分がクラスト(crust)で、クラム(crumb)はその対になる内側の柔らかい部分を意味します。

特徴内容
定義パンの内側、白くて柔らかい部分(外側はクラスト)
語源英語の crumbをフランス語風に発音され定着
意味しっとり感、気泡の入り方、弾力、きめ細かさ

「クラム」は英語のcrumbに由来しますが、パンの世界ではフランス語風にクラムと表現されることも多く、パン用語として広く定着しているという印象。

パン職人やパン好きの間では、

「このパンのクラムがもちもちしていて美味しい」や「クラムの気泡が美しい」といった表現で使われることが多い

クラムの状態はパンの出来栄えを判断する重要な要素のひとつ。

ふんわりしているか、均一な気泡が入っているか、しっとりしているかなど、クラムを見ればパンの製法や発酵の仕上がりが見えてきます。

パン用語の「クラム」は、単純にパンの中身を指すというよりパンの品質を見極める大切な指標となります。

焼き立て食パンのクラムにぜひ注目してみてくださいね!

パン用語「パンチ」とは?

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パン用語の「パンチ」とは、生地の一次発酵の途中で行う作業のことを指します。

パンチと聞くと、格闘技の動作を思い浮かべるかもしれませんがパン作りの「パンチ」はまったく違う意味。

パンチとは?一次発酵の途中で行う「ガス抜き」や「折りたたみ」作業
フランス語表記Rabat(ラバ)
主な目的グルテンの再形成、気泡の調整、生地温度の均一化
タイミング発酵中に1~2回、状態を見て実施

「パンチ」の具体的な意味は、

発酵中の生地を軽く押したり、ガスを抜いたりする動作のこと

フランス語ではrabat(ラバ)とも呼ばれ、この作業によってグルテンの再構築が行われ、生地のきめが整い、ふんわりとしたパンに仕上がるための欠かせない工程です。

パンチのメリットとは?

パンチのメリットとは?

  • 発酵の進行をコントロールできる
  • 最終的にクラムが均一でふわふわになる
  • 過発酵の防止にも効果的

パンチは発酵の進み具合や温度によって回数やタイミングが変わります。
パンチというと「パンを叩く」イメージが湧きますが、「生地を理想的な状態に調整する」という感じです。

パン作りをするときは、ぜひこの「パンチ」工程に注目してみましょう!

私はパンチを終えるタイミングを逃し大体やりすぎてしまいます…

パン用語でよく使われるフランス語とは?

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パン用語は、フランス語由来のものがたくさんあります。

これはフランスがパン文化の本場として知られていて多くの製パン技術や工程がフランスから日本に伝わってきた背景があるからです。

下記にパン用語でよく使われるフランス語を表にまとめました。

フランス語日本語の意味用途・該当部位/工程
Crumb(クラム)パンの内側パンの部位(柔らかくて気泡がある部分)
Crust(クラスト)パンの外皮パンの部位(焼き色がついた外側、カリカリ)
Coupe(クープ) / Grigne(グリーニュ)表面の切れ目/裂け目パンの部位(クープは切り込み、グリーニュは裂けた部分)
Baguette(バゲット)細長いフランスパンパンの形状(棒状)
Boule(ブール)丸型パンパンの形状(球体)
Couronne(クーロンヌ)王冠型のパンパンの形状(リング型で中央に穴がある)
Ficelle(フィセル)紐状パンバゲットよりも細いフランスパン
Pain de mie(パン・ド・ミ)食パン全体(しっとりクラム、薄いクラスト)
Levain(ルヴァン)天然酵母・発酵種発酵工程(酸味や風味の深さを加える)
Autolyse(オートリーズ)自己分解工程(粉と水を混ぜて休ませる)
Rabat(ラバ)折りたたみ・ガス抜き工程(パンチと同義。一次発酵中に行う)
Fermentation(フェルマンタスィオン)発酵工程(生地が膨らむプロセス)
Pâte fermentée(パート・フェルマンテ)発酵生地工程(前日に仕込んだ生地を使う伝統技法)
Retard(ルタール)遅延発酵工程(低温で長時間かけて発酵させる)

たとえば、「バゲット(baguette)」「ブール(boule)」「クーペ(coupé)」などのパンの種類や形状を示す言葉は、すべてフランス語です。

また、パン作りの工程においても「オートリーズ(autolyse)」「クープ(coup)」「ミキシング(mixage)」などの用語がよく出てきますね。

「クラム」や「パンチ」は元々は英語起源ではあるものの、パン用語としてはフランス語やフランスの製パン文化の影響を受けています。

日本の製パン学校に通っていた友人の話によると、フランス語由来のパン用語は当然のものとして出てきていたそうです。

パン職人の間では共通言語として使われているのでパン屋で長年バイトしていたときにもよく耳にしていました。

フランス語由来のパン用語を学ぶことで、パン文化全体が身近に感じられるような気がしてきます!

まとめ

今回は「【パン用語】クラムやパンチはフランス語?意味や由来となるパンの部位をまとめて解説!」と題して、パン用語の中でもよく使われる「クラム」「パンチ」、そしてフランス語に由来するその他のパン用語について紹介しました。

「クラム」はパンの内側の柔らかい部分を示す言葉で、パンの品質を判断する重要な要素。

「パンチ」は発酵中に行うガス抜きや生地の調整工程で、パン作りには欠かせない作業です。

また、パン用語にはフランス語が数多く含まれいてパン文化の深さと歴史を感じさせてくれますね。

これからパン作りを始める方も、パンをもっと楽しみたい方も「クラム」「パンチ」などのパン用語に注目してみてくださいね!

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